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中堅校の人気が示す「これからの中学入試」

2026年07月28日 7:00:00

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今回のひのき通信では中学入試についての記事をお送りします。
なお、記事中に引用する数字は主に合判模試を主催する「ONETES(旧首都圏模試センター)」がHPに公開している推定値を使用させていただきます。また、中学受験についての記事は2025年6月3日にも書いておりますので、よろしければそちらもご参照ください。

◆2025年6月3日の記事:STEAM教育って何?~中学受験と「新しい教育」への期待~
https://www.hinoki-net.com/info/list/detail/n/660/

学校基本調査によると、今年の小学校卒業生は首都圏の1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)で288,173人、昨年は288,951人でしたので778人の減少、ほぼ横ばいと言って良いかと思われます。
それに対し私国立中学の受験者数は、首都模試センターの推計によると250名減の52,050名、受験率は18.06%となり、この受験率は過去3番目の高さです。2022年度以降の中学受験ブームは、まだまだ継続していることが良く分かります。筆者などは、これはもはやブームではなく中学受験の多様化・一般化が定着した結果ではないかとも思っています。
また、直近の進路調査によれば私立への進学率が3割を超える区が都内11区に及ぶそうです。3割を超えるとなると約3人に1人の割合ですから、実に驚くべき数字です。

さて、2026年度入試は11年ぶりのサンデーショックということで、大きな話題になりました。そちらについては様々な場所で取り上げられていると思いますので、ここではもう1つの側面である「中堅校の大幅な受験者増」についてお話ししたいと思います。

中堅校の受験者増については2023年度入試の際にも話題にしましたが、それは今でも続いています。直近だけを見ても明大世田谷・三輪田学園・サレジアン国際世田谷・日工大駒場・文教大付属など、受験者を大幅に増やした学校は枚挙に暇がありません。その要因として校舎のリニューアル・共学化・大学付属校化などはもちろん挙げられるのですが、新しい教育指導要領の考え方を積極的に取り入れた探求型の学習や、今後の国際化を見据えた教育に力を入れ、独自の魅力を発信している中堅校が、受験生・保護者の支持を集めていることも大きな要因です。「多くの受験生がより偏差値の高い学校を目指して鎬を削る」という側面が強かった今までのブームと比べ、今回のブームはこの点が大きく様変わりしています。

これは現在の保護者の皆様が第1次受験ブームの当事者であったことも大きく影響しているように思います。受験にも私立中学にも詳しく、以前のようにガムシャラに偏差値上位の学校を目指す受験勉強をする(させる)のではなく、我が子に合った教育を見据えて学校選びをするようになったことが背景にあると考えられます。それに加えて、昨今のスマホやSNSの普及により以前よりも手軽に多くの情報を集めやすくなったことも後押しをしているように思われます。

当たり前のことですが、わが子に合った受験・学校は必ずしも偏差値の高い学校とは限りません。また大学への進学実績も気になる指標ではありますが、いまとなってはそれだけが優先事項ではありません。となると受験勉強の仕方も変わってきます。小学校生活のすべてを犠牲にして家族一丸となって受験に向かうというスタイルはもはや一部の最難関校を目指す生徒だけのものであり、中学受験に向かうスタイルも多様化していると言ってよいでしょう。

その一方で、ここ数年塾通いの低年齢化がますます進んでいることも、ひしひしと感じています。大手塾を中心に「なるべく早くから塾通いを始めないと中学受験は無理」という空気が蔓延しているようにも見えます。でも本当にそうでしょうか?
筆者などは長年の塾講師としての経験から、中堅校なら小5からの受験勉強でも本当に多くの生徒が合格を勝ち取っていますし、所謂難関校でも、小4からしっかり準備をすればほとんどの場合大丈夫だと考えています。

ただ中堅校と言っても上記のように大きな支持を集めているところもあり、こうした学校では非常に倍率が高くなっているため、安心のためなるべく早くからという心理になるのもよくわかります。
個々の生徒毎に基礎学力も異なりますし、受験勉強に費やすことのできる時間も異なります。大事なのは、まわりの情報に躍らされることなく、自分の状況をしっかり見極めて、どういう受験をしたいのかを良く考えることです。

塾の先生に相談を持ち掛けるのも手です。どのような学習がどの程度必要か、通塾先の、あるいは通塾を検討している塾の先生に率直に聞いてみてください。その生徒さんに合った受験勉強をアドバイスしてくれるはずです。

そして、受験勉強以前に「知的好奇心の芽」「コミュニケーション能力」を育むような体験が子どもには必要です。驚くかもしれませんが、多くの学校がこのことを非常に重視しており、何とか入試問題でこのような能力を測れないかと四苦八苦しています。知識を覚えるだけでは対応できない、その場での思考力を求められる問題が増えているのもこの影響ですね。

受験勉強を「♪砂をかむよな味気ない♪(古い!)」ものではなく、楽しい知的好奇心に満ちたものにするためにも、小学生としての生活を大事にしながら、学習に取り組んでいきましょう。

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