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ESAT-Jの最新情報について

2023年06月20日 11:00:00

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イベントその他

今回のひのき通信は「ESAT-J」に関する最新情報についてお伝えしていきます。

まずはESAT-Jについて、改めて振り返っておきましょう。

ESAT-Jとは English Speaking Achievement Test for Junior High School Student の略で、東京都が実施しているスピーキングテストのことです。令和5年の都立高校一般入試より、英語の「話すこと」の評価に使われています。

昨今、英語教育において4技能(あるいは4技能5領域)と云う言葉が喧伝されています。これは従来からの「読むこと」「聞くこと」に加え「書くこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」を評価の対象とし、生徒たちに使える英語を習得させようとする動きです。

大学入試の英語の評価に英検やTOIECなどの民間資格を活用しようと云う動きがありましたが、それもこうした考え方の一環だったわけです。
受験機会や採点の公平性etcの問題から民間資格の導入は見送られましたが、4技能重視の考え方が変更されたわけではありません。そうした流れの中で東京都が全国に先駆けて導入したのが、このESAT-Jなのです。

ESAT-Jの沿革についてもお話ししておきたいと思います。
ESAT-Jはまず令和元年度、2年度に抽出校を対象(約8千人)に試行され、令和3年度には都立全公立中学校を対象(約8万人)にプレテストの形で実施されました。
そして令和4年度に初めて本試験が実施され、様々な見解が表明される中、令和5年度都立高校一般入試に英語の評価の一部として採用されました。

ESAT-Jの一般入試への利用ですが、都立高校側ではESAT-Jの結果を20点満点に換算し、内申点の300点満点(換算後)にこの20点を加え320点満点としています。
一般入試が1000点満点から1020点満点になる、と考えれば微々たるものかもしれません。
しかしこれは英語のスピーキングに対する評価なのですから、英語が140点満点(換算後)から160点満点になると考えるべきでしょう。だとすると、英語の入試問題、約3.5問分に相当します。微々たるものではないですよね。

ESAT-Jの実施方法ですが、タブレット端末に解答音声を録音する形式で行われ、都教委によって6段階(A~F)に評価されます。
このテストは以下のように4つのパートからなっており、それぞれ出題のねらいと評価の観点は以下のようになっています。

評価の観点の「コミュニケーションの達成度」は2段階、「言語使用」は5段階、「音声」については4段階で評価されます。

採点基準は都教委から詳しい基準が発表されていますが、おおまかには
・コミュニケーションの達成度・・・コミュニケーションが成立しているか
・言語使用・・・語彙、表現、文法の使用が適切か
・音声・・・発音、強勢、リズム、間の取り方が適切か
などです。

さて、令和3年度のプレテスト、令和4年度の本実施の結果は、以下のようになっています。

結果を見ると、令和4年度は令和3年度に比べGRADE-A~GRADE-Cの割合が大きく上昇しています。一般入試の評価の一部になるということで、対策をしてきた生徒が多かったのではないでしょうか。そして約74%がGRADE-C以上の成績を取っており、上位校を狙う場合はなるべくGRADE-Aの成績を取ることが要求されると考えられます。

令和3年度のプレテストまでは、Part D以外は問題自体は難しくない、という印象だったのですが、令和4年度の本試験においては、PartBのNo3とNo4の場面設定(校外活動のための資金集め)が、中学生にとってはあまりなじみがないものであったり、PartCの4コマイラスト(電車の中に花をくわえた小鳥が入ってきて、座席に置かれた帽子の上に花を置いて出ていく)については、このストーリーを英語で表現するのは難しいだろうな、と思わせるものがありました。高得点を目指すなら、普通の日常会話が出来るレベルと英語での問いかけに短い時間で反応できる「英語の瞬発力」を身につけておく必要があるでしょう。

高校入試にスピーキングテストの結果を反映させる試みは、東京都が先陣を切った形ですが「使える英語」を目指す教育は全国共通です。遠からず4技能を評価の対象とする英語のテストが主流を占めるでしょう。東京都はこの流れをさらに推し進め、令和5年度(2023年度)は中1・中2でもESAT-J YEAR 1・YEAR 2を実施することを発表しています。

2021年度には中学の指導要領が改定されましたが、中1の英語の変化(難化)には目を見張るものがあります。指導要領の改訂で、学習内容が一部高校から降りてきたこともあり、高校入試の英語は難化していくことは間違いないでしょう。ただ、まだ従来通りの学習が必要な問題も多くあります。

ひのき進学教室では現行の高校入試対策を継続しつつ、上記のような英語教育の新たな動きにしっかり目を向けていきます。令和5年度(2023年度)からはオンライン英語学習システム「ELST」を中1~中3の全学年で導入しており、英語教育の新たな動き、そしてESAT-Jへの対策を万全なものにしていく所存です。


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これからも、既存の英語教育の形にとらわれず、新しいシステムの導入も視野に入れながら、生徒の皆さんの英語力強化により一層力を入れていきたいと考えています。

 
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